イルカ・クジラは何のなかまか知ってる?
魚のなかま?って思われることが多いけど、人と同じほにゅうるいなんだ。
イルカ・クジラの体のつくりや行動を見てみよう!
イルカとクジラは同じいきものだから大きなちがいはない。からだの大きさが4メートルより大きいなかまをクジラ、4メートルより小さいなかまをイルカとよんでいるだけ。
エサをつかまえたりする歯が生えている。しゅるいによって歯の数が少ないクジラもいる。歯が生え変わることはない。
大きなヒゲ板が上あごにたくさんならんでいる。すりへっていくけれど、人のツメと同じそざいで、一生のび続ける。
鼻のつけねから人には聞こえない音「超音波(ちょうおんぱ)」を出して、「メロン」とよばれる脂肪(しぼう)で方向を調整してエサを探す。音波は、エサやしょうがいぶつに当たるとはね返って耳にとどくから、どこにどんなかたちのものがあるかがわかる。これを『エコロケーション』という。
エサを見つけると、歯で少しつかまえるけど、丸ごとのみこんで食べるのがふつう。
大きな口を開けて、エサとなる小さないきものを海水ごとおなかの皮ふの下にあるフクロに入れる。からだを回転させたり、横にたおして、口の中にエサをもどしながら、海水だけをヒゲ板の間から出して、ヒゲ板にエサをひっかけて、エサだけをのみこむ。
外から見えるはなのあなの数は1つ。
あたまのホネには、左右2つのはなのあながある。
2つのはなのあなが外からでも見える。
海の中ではとじている。息つぎをするときだけひらく。
サカナのおびれは、からだのタテ向きについているから、おびれを左右にふって泳ぐ。
イルカ・クジラのおびれは、からだのすいへい向きについているから、おびれは上下にふって泳ぐ。(犬が走るときのしっぽの動きと同じ。)
サカナは、エラを使って水の中の空気から『さんそ』をとる。息をするために水面に出ることはない。
イルカ・クジラは、はなのあなが頭の上にあって、水面からはなのあなを出して息つぎをする。
サカナは、たまごのままお母さんから生まれて、たまごの中で大きくなってサカナのかたちになる。
イルカ・クジラは、お母さんのおなかの中で大きくなってイルカのかたちになる。お母さんから生まれるときは、おぼれないようにおびれから出てくる。人と同じように『おへそ』があり、赤ちゃんはお母さんのおっぱいを飲んで育つ。体温も人と同じ、37℃くらい。生まれて間もないイルカのからだには、お母さんのおなかの中で丸くなっていたなごりのシワがある。
せなかにはひとづつきのホネ(せぼね)がある。むなびれにはホネがあるが、せびれとおびれにはホネがなく皮ふでできている。
大昔、イルカ・クジラの祖先(そせん)は、りくにくらし、4本足で歩いていた。やがて水中でくらすようになって、足がなくなり、速く泳ぐためにホネのないせびれやおびれができた。足はなくなったが、ないぞうを守るために『骨盤(こつばん)』のなごりがある。
スパイホップ 水面から顔を出して、おなかがわから両方の目を使って、まわりを見わたしたり、なかまをかくにんする。
ブリーチング 水面にからだの大部分を出すような、大はくりょくのジャンプをする。
フルークアップ
クジラが深くもぐるとき、頭を真下に向けてもぐり始める。そのときのおびれが、水面から真上に上がる。
ザトウクジラを1頭1頭見分けるときには、おびれのもようや形で見分けることができる。
息つぎのときの『息』がひえて白くみえる。英語(えいご)では『ブロー』という。(人が冬に息をはくと白く見えることがあるのと同じ。)
はなのあなのかたちや、はなのあなの位置(いち)がクジラの種類(しゅるい)によってちがうので、ブローのかたちや方向も種類によってちがう。
種類(しゅるい)によって、出す音の高さやなきかたがちがう。
鼻のつけ根から人には聞こえない高さの音『超音波(ちょうおんぱ)』を出す。その音波を「メロン」とよばれる脂肪(しぼう)部分で、エサやしょうがい物に当たるように方向を決めて、はね返ってきた音でその物の大きさや形などを知る。これを『エコロケーション』という。
親子やむれのなかまと、なき声を出し合ってコミュニケーションをとるときの音は、エサをとるときの音とはちがう。
相手をいかくするときやエサをつかまえるときは、とても大きくて強い音を出す。
イルカたちはコミュニケーションの一つとして、むなびれを使って相手の体をなでる。これを『ラビング』という。
親子やなかまとのきずなを深めているようで、けんかをした後はラビングがよく見られるとも言われている。
イルカ・クジラたちは、右目と左目をかたほうずつつむってねる。これを『半休すいみん』といい、左右の脳(のう)を半分ずつ休ませている。
右目をつむると左ののうが休み、左目をつむると右ののうが休むことがわかっている。
ヒゲクジラの多くは、寒い時期はあたたかい海で子育てをし、あたたかい時期になるとエサのたくさんあるつめたい海へ向かう。このように旅をすることを『回遊(かいゆう)』という。
長いきょりを泳ぐクジラは、1年で数万キロもの旅をする。