イルカ・クジラについてもっと知る(日本のウォッチングポイント)

イルカ・クジラに会える場所は、岸から見えるところもあるし、船に乗れば会えるところもあるよ。
日本は、海にかこまれた島国。世界中に90しゅるいくらいいるイルカ・クジラのうち、40しゅるいくらいが日本の海でも見られるよ。いつも同じ場所にいるイルカ・クジラもいれば、春・夏・秋・冬それぞれの時期になると来るイルカ・クジラもいるよ。
日本のウォッチングポイント
北海道
  • 網走(あばしり)
    カマイルカ、ナガスクジラ、ミンククジラ、ツチクジラなど
  • 知床(しれとこ)
    シャチ、ミンクジラ、マッコウクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ、ツチクジラなど
  • 室蘭(むろらん)
    カマイルカ、イシイルカなど
千葉県
  • 銚子(ちょうし)
    カマイルカ、スナメリ、スジイルカ、マッコウクジラなど
東京都
  • 伊豆諸島(いずしょとう)
    ミナミハンドウイルカ、ザトウクジラ
  • 小笠原諸島(おがさわらしょとう)
    ミナミハンドウイルカ、ハシナガイルカ、ザトウクジラ、マッコウクジラなど
石川県
  • 能登島(のとじま)
    ミナミハンドウイルカ
和歌山県
  • 南紀(なんき)
    マッコウクジラ、ハナゴンドウなど
高知県
  • 宇佐(うさ)
    ハセイルカ、ハンドウイルカ、ハナゴンドウ、カツオクジラなど
  • 黒潮(くろしお)
    ハセイルカ、ハンドウイルカ、ハナゴンドウ、カツオクジラなど
長崎県
  • 島原(しまばら)
    ミナミハンドウイルカ
熊本県
  • 天草(あまくさ)
    ミナミハンドウイルカなど
鹿児島県
  • 錦江湾(きんこうわん)
    ミナミハンドウイルカ
  • 奄美群島(あまみぐんとう)
    ザトウクジラ、マッコウクジラなど
沖縄県
  • 本島(ほんとう)中南部(ちゅうなんぶ)
    ザトウクジラなど
  • 座間味(ざまみ)
    ザトウクジラなど

会いに行くときの服と持ちもの

太陽の強い光や急な雨、強い風がちょくせつ当たることもあって、体力をうばってしまう場合があるんだ。会いに行くときに気をつけてほしいことをまとめたよ。

服そう

気温が高いとき

日ざしをよけながらかんさつしよう。
気温が高いときの服装"
  • 風をよけられるウインドブレーカー
  • 風通しのよいシャツ
  • 日ざしをよけるためのぼうし
  • サングラス
  • 急に雨がふる時もあるのでレインコート
  • はだがなるべく出ないようにするのがおススメ。日やけしすぎると、ヒリヒリいたいよ。

寒いとき、風が強いとき

寒さに負けないそうびをしよう。
寒いときや風が強いときの服装
  • 温かくて水をはじくことのできるコート
  • 温かいニットなどのぼうし
  • てぶくろ
  • カイロ
  • ネックウォーマーやマフラー
⚠船の上でかんさつする時には、ゆれたり船よいしたり、りくとはちがうよ。
足元は、ぬれた所でもすべりにくいスニーカーや長ぐつをはこう。よい止めの薬もあると安心して楽しめるかもしれないね。きせつや場所によって暑かったり寒かったりするから、合わせた服をえらぼう。

持っていくもの

  • 飲みもの
  • おやつ(エネルギーを取り入れて、ねむたさや船よいを止める)
  • タオルや手ぬぐい
  • カメラ

◎ あると役に立つもの
そうがんきょう、GPS、ぬれても書けるメモ帳、ずかん

⚠船の上では風が強くて何でもふきとばされちゃうよ。
ぼうしはなるべくひもやゴムでとめられるものがオススメ。食べ物をつつんでいるふくろもとんでしまうから、すぐにカバンのそこの方に入れるとか、飛ばないように工夫しよう!もしも海に落ちてしまったら、イルカやクジラたちがごはんとまちがえて食べてしまうかも…

かんさつするときのポイント

どんな色や形をしているのかな?なんていうイルカ・クジラなのかな?
ずかんを使って調べてみよう!

イルカ・クジラずかん
シャチのイラスト
シャチの写真

1頭だけで泳ぐイルカもいれば、何十頭ものむれで泳ぐイルカもいるよ。

何頭いるのかな?親子かな?兄弟かな?
体の大きさをじっくりと見て、よそうしてみよう。

むれで行動するカマイルカ
むれで行動するカマイルカ
あまりむれにならないスナメリ
あまりむれにならないスナメリ

船とならんで泳ぐかな?それとも、にげるかな?

イルカたちは船が作る波にのることもある
イルカたちは船が作る波にのることもあるんだ

船がつくる波に乗るのがすきなイルカ、船の音が近づくのが苦手なイルカ、いろいろいるよ。波に乗って泳ぐすがたは、とっても気持ちよさそう。

どんなスピードで泳いでいるかな?

カマイルカはイルカの中でもトップクラスの泳ぐスピード
カマイルカはイルカの中でもトップクラスの泳ぐスピード

かなり速く泳いで遠くに行っているときは、船からにげているところかもしれないね。
ゆっくりと泳いでいるときは、くつろいでいる時なのかもしれない。赤ちゃんがいたら、赤ちゃんの泳ぐ速さに合わせていることもあるよ。ときどき目が水面の近くにあるときは、じっとキミのことをかんさつしているかも?

イルカやクジラが水面にいるときに、頭の上から水しぶきが上がることがあるよ。

頭の上にある『はなのあな』
頭の上にある『はなのあな』が見えるかな?

これは何をしているのかな?実はね、息をしているんだ。はなのあなの形や数がちがう種もあるし、水しぶきの形だってちがうこともあって遠くから種類を見分けるヒントになるんだよ。

ICERCからイルカ・クジラに会いに行くキミに伝えたいこと

ゆったりとおよぐイルカたち
ゆったりとおよぐイルカたち

広い広い海、そこにはたくさんのいきものがくらしている。 イルカやクジラも、海で生活しているいきもののなかまだね。

日本の海でも、会えるチャンスはたくさんある!

でも、イルカやクジラたちに会いに行くということは、かれらの家におじゃまするってこと。 みんなが家で休んでいる時に、急に知らない人たちがドタドタ入って来たら、どんな気持ちになる?

イルカ・クジラがゆったりすごせる海にするには、どうしたらいいだろう。

イルカ・クジラにやさしく

ゴミは自宅に持ち帰ろう

もしイルカ・クジラに会えたら、きっと、とてもうれしい気持ちになるよ!会えたときに「今のイルカ・クジラは、どんな気持ちかな?」と考えると、イルカ・クジラともっとなかよくなれるかも。

いっしょうけんめい赤ちゃんを育てているイルカやごはんを食べているクジラたちに出会うこともあるよ。もし、近くで急に大きな音でさわぐ人がいたら、びっくりするよね?もし、ごみがエサのように見えたら、パクって口に入れてしまうかも?

海の中でいっしょに泳ぐときは、近づきすぎたり追いかけたりすると、びっくりさせてしまったり、自分や家族を守ろうと、こうげきてきにさせてしまうこともあるんだ。
野生のいきものとすごすには、そのいきものに合わせた「てきどなきょり」が大切だよ。

また、キミがイルカ・クジラに会いたくて行ったとしても、会えない時がある。
かれらの家である海はとてもとても広くて、かれらがすきな時に、すきな場所ですごしているんだ。
会えなくても、「この海にいるんだなぁ」って思うとうれしい気持ちになれたり、その海の様子をよく見てみると、イルカ・クジラのことももっと分かるようになったりするかも。

出会った時は、大切な友だちと会っている時と同じように、やさしい気持ちですごそうね。

楽しく、気持ちよくすごそう!

イルカ・クジラが暮らす地球を守ろう

イルカ・クジラに会いに行く場所は、気をつけていないと、岸から海の中に落ちたり、ボートですべって転んだりと、きけんなところもあるよ。

また、食べ物や飲み物を食べ終えたときにごみを海にすてることや、車をとめてはいけないところにとめてしまうことは、イルカ・クジラも、人もこまってしまうんだ。

イルカ・クジラとすごした思い出を楽しくて大切な思い出にするには、イルカ・クジラや海にやさしく、そして、自分のやっていることにせきにんを持つことが大切だね。

イルカ・クジラやたくさんのいきものがくらしている海。
海という家に『おじゃまします!』という気持ちで、会いに行こうね。

ICERC Japan

場所と鯨種、観察について 監修:日本クジライルカウォッチング協議会(JWDC))